かごしま蜂針療法研究所では、蜂の育成から蜂針療法(アピセラピー)の施術まで一貫して携わっています。蜂針療法(アピセラピー)とは、わずか0.02mgの毒液(蜂の針の毒液には体に悪い成分はなく、体にとても優しい成分です)を体内に入れることによって、ヒトの免疫力を引き出し、痛みや化膿を軽減するという療法です。古代エジプトやバビロニアでは早くも紀元前2000年頃から行われていたといわれていますが、日本で蜂針療法(アピセラピー)が始まったのは大正9年(1920年)頃と言われています。世界各国で4,000年の歴史を持つ蜂針療法(アピセラピー)を蜂たちが元気に育つ奥出水・野田の地で1997年に開院したのが、かごしま蜂針療法研究所です。お父様の意思を引き継ぎ現在2代目として運営されている福井隆司さんにお話を伺ってきました。
父と一緒に
かごしま蜂針療法研究所は公務員だった父が早期退職して始めた仕事です。同じように私自身も22~3歳の頃にサラリーマンを辞めてこの世界に入りました。
蜂のことを知らないとこの仕事を続けていくことはできないので、まずは養蜂家さんのところに勉強させてもらいに行きました。それが25歳の頃だったと思います。医療法のことも勉強した後に、父と一緒になってやり始めました。
この仕事についてですが、ざっくりと言うと鍼灸の鍼は東洋医学ですが、蜂を使ったこの仕事は西洋医学に分類されます。なぜかと言うと、蜂が持つエキスを使った施術になるのですが、蜂の針はそのエキスを入れるだけの「ツール」になります。針自体に施術の効果があるわけではありません。
そのために自分たちで蜂を育てていますが、ハチミツを取る目的ではないので養蜂家の方ほど養蜂箱を持っているわけではありません。それでも副産物的に少量ですがハチミツも取れるので無理のない範囲で商品化したりしています。
細胞の働きを促す
蜂の針からエキスが体内に入っていくことで、人の細胞一つ一つの働きが元気になります。薬とは違うんですが細胞の働きを促すことで同時に血流も良くしていきます。要は体に抗体を作ってあげることが目的です。
この施術は、西洋では歴史がありますし盛んなんですが、日本ではまだあまり知られていません。蜂自体が怖い、というイメージが先行しているのだと思います。まずはそこのイメージの部分を和らげてもらえるように、「ハチミツ絞り体験」とかを通じて蜂の働きや生体について説明する機会を作るようにしています。
また、針を持っているのはメスだけなので実はオスは施術に使えないんです。普段は養蜂箱にはメスだけがいるんですが、蜂は春に交尾をするのでこの時期は養蜂箱にオスもメスも混じっています。蜂を移動させる際に一つのケースには2~300匹の蜂が入るのですが、オスも入っている場合はその中から選り分けてメスだけを捕まえます。大体ですが、3~4名の施術で1ケース(2~300匹)の蜂を使用する、といった感じです。また、針を抜いた蜂はもう針を出すことはないので、3月8日(ミツバチ)の日に蜂の供養をしています。
自然と蜂と
蜂には「尻振りダンス」をいう動きがあって、他の蜂へ情報を伝えるコミュニケーションになります。「あそこにたくさん花があったよ!」となると、みんなでそこに行って蜜を集める。他の場所に花があってもそこの作業が終わらないと次のところへは行かないようです。また、帰ってくる場所も女王蜂のフェロモンを記憶して正確に帰ってきます。これまでに施術のスピードと蜂の生育スピードが合わずに蜂がいなくなったこともあるのですが、今ではその増減も視野に入れて別の場所に養蜂箱を設置しています。季節によって花の揃った環境も違うし、日照時間も長かったり短かったりするので、自然と合わせて移動させています。
次世代のアピセラピー
NPO法人日本アピセラピー協会の理事もしているのですが、主に九州エリアを担当しています。はじめはご自身の健康のために通っていた方が、勉強して自分でできるようになりたい、と言う生徒さんに向けてサポートしています。
今は同世代の方が多いですが、次世代の治療師の育成につながれば、と思っています。西洋では歴史の長いものなので「蜂の働き」と貴重さを食育と共に一緒に伝えていけると良いなぁと考えています。
フットゴルフ
アピセラピーとは別に今やりたいことは「フットゴルフ」です。ゴルフ場でサッカーボールを蹴ってゴルフのようにカップに入れる、というものです。日本だけでなく他国でも流行ってきているんですが、とてもメリットが多いのが特徴です。まず特別な道具が要らない。「蹴る」という単純な動作なので子供と一緒にプレーできるし関係人口の年齢幅がグッと広がります。また、企業単位でもコンペを開催しやすく、ゴルフ場の利用率が上がります。またゴルフ場側にとっても大きな改変をすることなく導入できますので、費用面でもメリットがあると考えています。企業としては健康づくりを目的として福利厚生として準備することも可能です。仮のその先に「ゴルフツアー」に選ばれたりすると、出水市外から多くの方が訪れるきっかけにもなるので出水市のPRにも繋がるのではないでしょうか。
この企画は私自身がスポーツが好き、というのももちろんありますがより多くの方が参加できる「フットゴルフ」がこの地域に馴染むことで、地域内の方も楽しんで健康になり、また地域外の方が訪れるきっかけにもなってくれると良いなと考えていますので、ご興味ある方がいらしたらぜひ一緒に誘致したいですね。
出水そしてLifenseについて
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川端通り
—–読者の方に一言お願いします。
他人に左右されず、自分の軸をしっかり持った生き方をして欲しい!!
DATA
かごしま蜂針療法研究所
https://www.beestinger.jp/
かごしま蜂針療法研究所<Instagram>
@takashijapan6
写真:柏木 直紀
文章:松島 晋也