出水市の本町商店街にある「花のよしおか」に立つ吉岡由希子さん。町のお花屋さんとしてのお仕事で忙しくしながらも、フランス語で「隠れ家」を意味する「Cachette(カシェット)」という屋号でドライフラワーの別店舗も運営されています。
その他にも、生花・ドライフラワー・アーティフィシャルフラワーの講師・インストラクターとして、鹿児島だけでなく熊本や福岡にも飛び回る日々を送られ、多方面でご活躍されています。ご主人の実家であるお花屋さんを手伝い始めた初心者時代から、いかにして今に至るのか。活動の原点や自身の活動の源についてお伺いしてきました。
ダンスからヘアメイク、そしてお花
子供の頃の私は、小学4年生からダンススクールに通っていました。今も30年続いているダンススクールなんですが、実は初めの方から半年間くらいは恥ずかしさで何もできずジッとしている時期がありました。ただそんな中でも出来ないことを密かに練習することだけは好きで続けていたので、ある時披露したらとても驚かれ、その事が人前に出る事が好きになったきっかけかも知れません。
その延長でダンスを磨いて一時芸能界を目指していたこともあり、オーディションなどにも積極的に参加していました。その際プロのヘアメイクさんが私についてくれた事がキッカケで今度はヘアメイクへの興味が高まり、独身時代はヘアメイクの学校の先生を目指していました。そんな中で熊本県水俣市出身の私が結婚を機に出水市に来ることになり、主人の実家であるお花屋さんを手伝うことに。そんなあっという間の17年で、ビックリしながら今に至ります。
なので結婚してから初めてお仕事としてお花に触れ始めました。当然初心者でしたので右も左もわからずのスタートでしたが、習い事や新しいことを始めることがなんでも昔から好きだったので、生花だけでなく、ドライフラワー、アーティフィシャルフラワー、撮影、バルーン、フレグランスなどなど…お花に関係することや、お客様が喜んでくれそうだな!という事にはどんどん飛び込んでいます。いまは、元々なりたかった講師業もさせていただけて、とても充実しています。
「ドライフラワー」が次への扉を開いた
お花屋さんになってしばらくした頃、都心で活動する知り合いのカメラマンさんからのアドバイスで「ドライフラワーが来てるよ」と教えてもらいました。当時ドライフラワーは今ほどイメージが良くなくて、縁起が良くないと敬遠されることも多かったと思いますが「絶対やった方が良いよ」と強く背中を押されて始めたのがきっかけでした。
ただ好きな方は好きなんですが、「枯れた花を売ってどうするんだ」と言われたり、地元では認知されていない状況がわかっていたので「隠れ家」を意味する「Cachette(カシェット)」という名前をつけ、商店街とは別店舗でスタートしました。ただそこからが本当に大変でした。ドライフラワーを作る方法も今ほど情報がなく、自宅の自分の部屋でコソコソと実験するように始めたのが最初です。乾かす技術もわからないので食洗機に入れたこともありますし、またそれをどのくらいに時間乾かすのか?とかも色や品種によって変えながら覚えていきました。
ちょうどそんなタイミングでSNSが流行り、比較的早い段階でInstagramを始めて発信するようにしました。そうすると今までお花屋さんに来ていただいた方々とは違う若い客層や遠方の方とのご縁に恵まれるようになりました。
スーパーポジティブが世界を広げていく
これまでたくさんやりたいことが出てきて、自分自身が新しい事が好きって言うのもあるんですが、その都度興味が出たら取り組んできました。それは、新しいことに取り組み始めたからといって以前の取り組みに挫折を味わったとか、諦めたとかいうわけではなく、「目標が変わった」と捉えて、そのこと自体を楽しんでます。私自身の「寝たら忘れる」「人を喜ばせたい」というスーパーポジティブな性格からきているのかもしれません。人生の中で自分が今まで経験したことって絶対繋がっていくし、悪いことにはならない、と思っています。
今後の目標の一つとして、現在講師として持たせていただいている生徒さんをより積極的にサポートしたいと思っています。そのために常に新しいことを生徒さんに提供したい。逆に自分が立ち止まってしまうと生徒さんたちも止まってしまうので、福岡や熊本といった遠方にいる生徒さんたちですが、しっかり引っ張っていける存在になっていきたいと思っています。
全国でレッスンする由希子先生
個人的には生け花(華道)とお茶(茶道)にも取り組みたいと思っています。アレンジメント教室でも同じなんですが、皆さん1~2時間めちゃくちゃ集中するんですよ。大人になってからそんなに集中する時間って実はあんまりない。そのこと自体がとてもお客様に喜ばれているので、まずは自分が忙しい日々を忘れるくらい集中することで、今よりも品格を身につけたいです。教えてくださる先生がとても魅力的でいろんなお話をしてくださるんですが、元々興味のなかった私をこんなにも引き込んでくださるので、そこにもとても興味が湧いています。なんでもやってみないとわからないな、と改めて考えさせられています。
将来的な目標としてはもっとお花と触れ合う機会を皆様に持ってもらいたいので、ワークショップやレッスンとして楽しくお花を広めていきたいです。特に子供達にお花を選ぶ楽しさや、それを作品にする楽しさ、お家で育てる喜びをお花を通して知ってもらいたいので子供向けの【花育】お花摘みレッスンをやるのが目標です。また【全国でレッスンする由希子先生になる】が大きな夢です。そのために、まだまだ色んなことにチャレンジしていくつもりです。
出水そしてLifenseについて
—–出水はどんなところですか?
出水市は海、山、川と自然豊かで山の幸、海の幸、畜産物、海苔など美味しいものが豊富で出水に住んでいるだけで何も困らず豊かな暮らしができるなと感じます!ハンドメイドや、お菓子作りなど意欲的に取り組まれている方も多く、色々なイベントが開催されているイメージがあります!元気な方が多い♡竹灯篭や武家屋敷は他県の方にもっと自慢したいな〜と思うスポットです!
—–出水市あるいは北薩のおすすめスポットは?
諏訪神社に1日はなるべくお参りに行くようにしてます!諏訪神社の木と青空を見上げるのが好きです♡特産館も大好きでたまに珍しいお野菜があると嬉しくなります!特産館にあるマルチェロさんのソフトクリームは味が変わる度絶対食べます♡あとは阿久根の道の駅で夕日をみるのも大好きです♡
—–読者の方に一言お願いします。
読者の皆様、出水市は海、山、川、自然が豊かで食べ物もおいしく、とても活動的な方が多い町です。私は普段、本町商店街にいます。花屋、カフェ、お肉屋さん、金物屋さんなど色々なお店がありますので商店街もぜひぜひ歩いてみてほしいです♡商店街から諏訪神社、武家屋敷にもいけますので、お天気がいい日におすすめです!お花が好きな方はぜひお花摘み体験やフレグランス作りにも来てください♡ 合宿中に沢山の魅力を見つけていただけると嬉しいです!
DATA
花のよしおか<Instagram>
@hanano_yoshioka
写真:柏木 直紀
文章:松島 晋也