松ヶ野勇さん「測量設計会社の二代目が考える職場づくり」

2024.12.16

土地を測量し道路等の設計を行う有限会社せいこう技研の松ヶ野勇さんは、地元出水の高校を卒業後、福岡の大学へ進学 。大学で学んだことを活かすため営業職を志し、全国展開している建材メーカーに就職しました。その後神奈川県の営業所に配属され4年ほど働きましたが、技術職への憧れがふつふつと湧き出し、退職して地元出水に帰ることを決断。土木の勉強を一から始めて、現職の有限会社せいこう技研に入社。測量・設計の業務を7〜8年経験した後、お父様が創業した有限会社せいこう技研の後を継ぎ、令和元年に代表取締役に就任しました。二代目となり6年経った現在、仕事のことを中心にこれからのことについて、お話をうかがいました。

 

現在6年目。そもそも継ぐつもりではなかった。

〈有限会社せいこう技研〉の2代目である松ヶ野さん。地元出水に帰ってきた後は創業者であるお父様の会社をそのまま継ぐのではなく、測量・設計といった現場の業務を7〜8年続けました。そもそも帰ってきた理由も親族間での事業承継ありきではなく、他に適任者がいればその方が引き継ぐ道もあったと言います。

「有限会社せいこう技研は父を慕って集まった方々で2002年に設立された会社です。はじめは測量で始まりましたが、その内に設計まで行うようになりました。そこから徐々に仕事の幅が広がり県内でのエリアも出水周辺だけでなく離島にまで拡大しました。現在ではありがたいことに当社を信頼していただいて規模の大きなお仕事もさせていただいています。そんな中、事業承継に関しては、息子だから継いで当たり前、といった雰囲気は私も父もなかったと思います。」

しかし、現場での仕事ぶりや周囲からの信頼を認めたお父様は、やはり息子である松ヶ野さんに有限会社せいこう技研を託すことになります。

測量から始まり、設計部門を強化し、道路設計や河川、農業関連の設計まで業務範囲を拡大。県内でもBクラスに成長し、鹿児島県内全域で仕事ができる体制を整えました。

そんな話の中で、業界の今後、特に技術革新について聞いてみました。

「例えば、公共事業をする際に公民館に集まった方々にホワイトボードを使って説明会を開く。その時に見せる図面は専門的な部分もあるので、大抵の人は想像するのが難しい。今は3次元モデリングを使って視覚的に説明することができる。ここにあった壁を無くしたらこう見えます、とか、この距離から1m下がったら見える場所が広がります、とか。ただ気をつけないといけないのは、本当にそれが実現するのか?ということ。3次元モデリングを作ることは比較的容易になってきたけれど、それをより精度の高いものにするにはやはり図面を見て想像できる技術者じゃないといけない。そういう意味では技術者に求められるものは増えているとも言えるけど、それがやりがいでもある。公共事業は予算を簡単には変えられないから責任も大きい。」

自社の採用活動、そしてチームづくり

プロフェッショナル集団でもある有限会社せいこう技研ですが、意外にも未経験者でも積極的に採用を行うそうです。それは松ヶ野さんが考えるチームづくりから来ているといいます。

「採用に関しては、私が面接を行っています。その話の中では技術的な面だけでなく、人柄を重視しています。その方の人柄や得意なことを見極めながら当社のチームの中でどう活躍していただけるか、どう楽しんでもらえるのか、ということを想像します。中には、うちではなく別の場所で活躍しそうだなと思えばそれをお伝えすることもあります。」

そんなチームづくりを重視する松ヶ野さんは社内での行事も積極的に声掛けしていると言います。

「強制参加では無いですが、社内でチームを作って出水市の駅伝大会に出場しています。私自身が走るのが好きというのもありますが、社内で聞き取りをしてエントリーできる人数に達したら参加する、といった感じです。世間では会社の飲み会が減っている、ということをよく耳にしますが、うちは比較的仲が良い方だと思うので業務以外でもコミュニケーションできる場づくりをこれからも大切にしたいと思っています。そしてそんなコミュニケーションの中から仮に社員たちのやりたいことや夢が生まれたとしたら、誰よりも積極的に応援できる会社でありたいと思っています。またそういったコミュニケーションや雰囲気が自然と次の採用にもつながっていくと感じています。」

出前講座や外部講師について

松ヶ野さんは本業だけではなく、測量設計という仕事の魅力を伝えるため、学生が勉強する場にも積極的に出前講座を行なっている。

「会社の理念として《いいことをしましょう》というのがあるんですが、ある時教育が大事だと思うようになり、ちょうどそのタイミングで出前講座の依頼が来て。学生へ教えることは《いいこと》につながると思い引き受けたんですが、始めてみるとこちらもとても勉強になっていると気づきました。何かを教えるにはこちらも勉強しなくちゃならない。そもそも普段の業務では学生と話す機会はないので、社員を連れて行っても毎回新鮮な学びがあります。学び、学ばされる関係性はとても心地よいですし、そういった場づくりのお手伝いは続けていけるかな、と思っています。」

信頼されて任された仕事を着実にこなしながら、お父様に託された会社をより良い成長に導くために、現状に満足せず、常にアンテナを張って枝葉を伸ばす。そして社員が楽しく働ける職場づくりを目指す。その姿に松ヶ野さんの力強さが垣間見えました。

出水そしてLifenseについて

—–出水はどんなところですか?

出水はちょうどいい暮らしができるところ。大手チェーン店も多数ありますが、地元ならではの個性あるお店もあり、どこにでもある郊外都市とは違う楽しみがあると思います。また、自然が身近な環境ながらも、少し足を伸ばせば新幹線で鹿児島市内にも熊本・福岡へもアクセスしやすいところも便利です。

—–出水市あるいは北薩のおすすめスポットは?

せいこう技研(出水市高尾野町大久保)から500mぐらい山の方へ車を走らせて振り返ると遠くに海が広がって見えたり、日向ぼっこしてるといろんな鳥の鳴き声が聞こえたり、ふとした時に「あぁ、いいなぁ」と感じます。もちろん東光山や高野山といったスポットからの景色もきれいだし、干拓の堤防から見る海や田んぼの景色もきれいです。あと、週に1回ぐらいしか開かないけど、otte[オーテ]のお弁当とお惣菜はオススメです。笑

—–読者の方に一言お願いします。

免許取得は視野が変わるきっかけの一つだと思っています。車(バイク)に乗れるようになって行動範囲が広がると出水の風景もより楽しめますし、北薩をぐるっと回るのも楽しいです(海も山も料理も抜群!)。そして、人は人と会って話すことで視座が上がると思っています。出水にはいい人もたくさんいます(たぶん。笑) 。機械的に教習所に通って免許を取るのも間違いではないし、家の近くで免許を取るのも、Lifenseのようにいつもと違うところで免許を取るのも間違いではない。免許を取るという体験をどんなものにするかはみなさん次第ですよ。

DATA
有限会社 せいこう技研
https://seikougiken.jp/

松ヶ野 勇<Instagram>
@gano136

写真:柏木 直紀
文章:松島 晋也

 

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